『10年つきあう株を見つけよう!』(澤上篤人・ダイヤモンド社・1,600円)

所得には勤労所得と不労所得とがあります。
不労所得」という響きはあまりよくないかもしれませんが、これは名前がよくないだけ。
実はものすごく大切なものなのです。
不労所得は「経済的ゆとり」や「気持ちの余裕」などを意味します。
ただし不労所得ばかりを求めたり、それに頼ったりすると、人生や性格や家族がおかしくなっていきます。

不労所得のためには投資は不可欠。
出来のいいビジネスマンでも案外、投資の仕方は分からないというのが実情ではないでしょうか。
あるいは投資にあくせくし、ゆとりを求めるために投資をしているはずなのに、いつのまにか本末転倒、バタバタ投資でかえって心の余裕をなくしているケースも少なくないのではないでしょうか。

いろんな投資関連の本を読みましたが、澤上篤人さんの考え方が一番ぴったりフィットしました。
で、インターネットで澤上篤人さんの著書を5,6冊注文し、読み出しているというしだいです。
長谷川慶太郎さんは「株価を買わずに、会社を買え」という考え方ですが、澤上篤人さんはもう一歩進んで「自分が応援したい会社の株を買おう」なのです。
株のことが気になって、株の上がり下がりに一喜一憂する姿は、何かおかしいと以前から思っていました。
株は長期で保有するもの。
買ったことも忘れて持っている人の方が、結局はうまく運用できている例をいくつも知っています。

「株は5社ぐらいに絞って保有するのがいい」という教えもしっくり来ます。
長谷川慶太郎さんも保有する株の種類は随分少ないのです。
投資の世界もやはりシンプルが一番だと思うのです。

「長期投資は自分の夢や人生観が問われるといっても過言ではない」とのこと。
将来像をイメージできたら「絶対に10年間は売らない」「10年間は応援し続けるぞ」と思える銘柄をピックアップ。
本著では「投資の真理は儲かるか儲からないかではない」とまで言い切っています。
確かに「損しちゃいけない」「儲けなければ」とガツガツやると、投資判断も間違ってしまいそうです。

そしてまた「相場を読むなんて時間のムダ」とのこと。
四季報を買ってきて一生懸命勉強しても、せいぜい今期か来期ぐらいのことまでしか分かりません。
長期投資とは10年、20年かけて財産を作っていくもの。
2年ぐらいでは短期すぎて意味がないのです。

また財産を作る意義を「贅沢したい」からステップアップし、「世の中に役に立つことに、思いっきりお金を投入できる」にまで押し上げているのもスゴイしステキ。
投資は「さわかみ流」で行くことに決めました。