金の卵を産むニワトリを育てよ!

商社マンを何十人と取材した雑誌記者がいます。
辣腕エリートとも思える商社マンですが、彼らから何度となく聞いた言葉が「金がない」。
商社の年収レベルはかなり高いはずです。
それで「金がない」ということは、支出も多いということだし、生活レベルも高く設定し過ぎているということでもあります。

ある銀行の支店長の話です。
ある時「ゴルフの会員権を買いたいのでローンを貸してほしい」という一部上場企業に勤める人が来ました。
この人を仮にAさんと呼びます。
Aさんは40代で、年収は1,500万円、しかし貯金はゼロです。

次の日、Bさんが「住宅ローンを貸してほしい」と銀行にやって来ました。
Bさんも40代で、年収は500万円、しかし貯金は2,000万円あります。
銀行的に言うならば、Bさんの方が信用があり、「人生が安定」しているようにも感じます。

同じ銀行支店長いわく「有名大学卒で、年収が1,000万円近くの人たちが破綻する確率はかなり高い」とのこと。
一番信用が置ける層のような気がしますが、現実はそうでもないのですね。
実入り以上に支出の多い生活で、見栄もあって生活レベルを下げられないのかもしれません。
足が地についていない生活とも言えます。

その銀行支店長が資産家の家を何件も訪れると「幸せな資産家」と「暗い資産家」がいることに気がつきました。
前者はなにがしかの収益が毎月上がる物件を持っているのです。
それに対し後者は、億を超える資産を持っているのに、収益を生むモノを何も持っていない人たちなのです。
要するに資産が毎月目減りしているわけです。

この銀行支店長は色んな資産家を観察した結果「金の卵を産むニワトリを持ちなさい」と主張しています。
私も全く同意見で、収益物件を持っていないと晩年がとても心細いのです。
「金の卵を産むニワトリ」は長い時間をかけて育てていかねばならないのです。

収益不動産を購入するというのも無論有効な手段ですが、自分に投資するのも極めてリターンの大きい方法だと思うのです。
30代、40代、50代で、何らかの手を打っておかないと、晩年はとても寂しい思いをしなければならないかもしれないのです。
だから年収1,500万円の人が貯金ゼロなんて“とんでもない”話なのであります。