「買う・売る・休む」の休む時

安倍総理が誕生した後、株価がスルスルと上がり、個人消費初め景気の本格的な回復が期待されました。
株価は半年後の実体経済の指標となるからです。
ところがここしばらくは一進一退状態が続いています。
株価がどういう方向に向かおうとしているのかがよく分からないのです。

アメリカの暫定予算不成立による政府機関の一部閉鎖問題があります。
クリントン大統領の時も与野党の対立で2週間ほど閉鎖されたとのことですが、今回はどれぐらい続くのでしょうか?
いずれにせよ株価にとって、けっして良い材料ではないので、世界の株価に悪影響を与えています。

中国ではシャドーバンキングの問題があります。
1回目の決済は何とかクリアできたけれど、2回目の決済日が9月26日に迫っていると読んだことがあるのですが、9月26日はもう過ぎ去りました。
実際のところはどうなっているのか、今のところ私にはわかりません。

日本の株価が下がった原因の一つに消費税の増税決定があるかもしれません。
前回の消費税増税の後も、消費が落ち込み、逆に税収が減りました。
そうなると何のための増税だったのかがよく分かりません。
今回も市場がそのリスクを先取りして、株価を下げているのかもしれません。

消費税増税のことばかりがニュースになっていますが、来年から株の譲渡益に対する課税が10%から20%に値上げされます。
もし含み益があり、売却する予定がある株ならば、来年売るよりも今年中に売ってしまった方が手取りが多くなります。
今はそのことを念頭に置いた動きがあるのかもしれません。

いずれにせよ当面の株の動きが読めません(いつも読めませんが、特にです)。
ということは、株の売買はしばらく休憩ということになります。
株の格言に「買う・売る・休む」というのがあります。
この中で一番難しいのが「休む」。
不動産投資でも、この「休む」が出来ないから失敗するのです。

株式投資でも不動産投資でも、いかに休める態勢にしておくかが大きなポイント。
株の機関投資家は休むことができないのです。
その点、個人投資家はいつでも休めます。
ここが唯一個人投資家機関投資家に勝る点。

不動産の世界でも、大勢の社員を抱えていたら休むことができず、買うべきでない局面でも買わざるを得ない状況に陥ってしまうのです。
マンションデベロッパーや建売屋が潰れるのは、まさにそこだと思うのです。

「風車、風の吹くまで、昼寝かな」という歌がありますが、相場が分からない時は休むに限ります。
心置きなく休める(つまり休んでいても食べていける)というのは、ものすごく強い態勢なのだということに改めて気がついたという次第です。