中国依存からの脱却

中国が海外旅行先の候補から外れると、2泊3日で行ける範囲がグンと狭(せば)まってしまいます。
私は2015年に今の中華帝国が崩壊し、いくつかの国に分裂するとみているのですが、その過程ではさまざまな混乱があるはずなので、もう10年ぐらいは中国に行けないような気がします。
昨年9月に上海へ行ったのですが、これが当分の見納めだったのかもしれません。

私のように旅行先がなくなったと嘆く程度だったらいいのですが、会社で中国に進出している場合は大変です。
中国に進出するのはいいけれど、撤退するのは大変だと聞いたことがあります。
法整備がキチンと出来ていないため、閉鎖して精算することが出来ないためです。
一時期、青島から韓国企業が大量に「夜逃げ」したとの報道を読んだことがありますが、たぶん夜逃げしか撤退の手段がなかったのではないかと推測されます。

企業経営で「中国に進出する・しない」の決断は経営者の地頭(じあたま)が問われているところがあり、単に頭がいいとか、データをよく読んでいるとかのレベルを超えた、直観力とも言うべき能力が問われると思うのです。
日本は大東亜戦争終結の時に、大陸や半島に築いたすべての資産を放棄したわけですが、今回も同じようなことが起こる可能性があると思うのです。
中国も混乱するかもしれませんが、中国に進出した企業の財務的な混乱も相当あると予測されます(つまり経営危機)。

日本の自動車メーカーの中国での売り上げが3割から5割ぐらい落ち込んでいますが、たいていの企業は売上が3割下がれば、まず間違いなく赤字になるはずです。
中国ではもう採算が取れないと判断する日本企業が多くなると、今後の中国への進出はあり得ないでしょう。
これからの世界戦略にしたって、中国抜きの経営戦略を取らざるを得ません。

生産拠点を中国に置くメリットは、人件費の高騰などで、当初から比べれば随分減ってきているのではないでしょうか。
ASEAN始め、他の諸国への移行が進んでいくはずです。
ユニクロも中国での生産が5割を切ったと読んだことがあります。

コマツは中国に多くの建設機械を販売していますが、バブル経済が崩壊した中国市場が当面回復することは考えにくく、在庫が積み上がっていくことだけは避けなければなりません。
いずれにせよ、生産・販売において中国に依存し過ぎていた企業は、経営戦略を早急に練り直さなければならないはずです。