日本にこだわらない

国家体制の崩壊と民族の滅亡とは分けて考えるべきだと思います。
265年続いてきた江戸幕府の崩壊が、日本人の滅亡を意味したわけでは当然ありません。
むしろ維新によって「より躍進的な」国が出現しました。
民主党自民党や官僚をも含めた今の態勢が崩壊したとしても、大和民族にとってはむしろ「いい国」が生まれるのではないかと感じるようになりました。

国民一人一人が自立していってこそ「いい国」ができるのであって、国を当てにするのはもうやめた方がいいと思うのです。
おカミに頼らずに、いかに自力で歩んでいくかを考えるべきではないでしょうか。
そう思うと政治への腹立たしさもなくなり、けっこう気持ちがスッキリしてくるのです。

中国人が中国政府を信頼しているかと言えば、たぶんそうではないと思います。
今の政府だけでなく、長い歴史のすべての時代において、時の政権から上手に距離を取ってきました。
「上に政策あれば、下に対策あり」は中国民衆の知恵でもあります。

華僑はいろんな国に親族が住み、国家リスクをヘッジしてきました。
以前の私の英会話の先生は、マレーシア国籍の中国系の女性でしたが、カナダに移住し国籍を取るとのことでした。
自分が属する国籍のことなど、ほとんど気にしていないマインドに、純粋日本人である私はビックリしてしまった経験があります。

これからの日本人も、税金が安くて住みやすい国に、あっさりと移動してしまうかもしれません。
優秀な企業や優秀な人たちを奪い合う、国どうしの競争がもう始まっているのです。
為政者が早くそれに気づかなければいけないのです。

移住までいかなくても、海外に投資したり、海外で稼いだりすることは、日常茶飯事になると思います(もうそうなっていますが)。
日本は貿易収支が赤字の時でも、所得収支は黒字です。
今まで日本企業や日本人が行ってきた海外での投資が実を結んできたからです。

投資する場所や、働く場所や、住む場所が、もっともっとグローバルになっても、考えてみたらちっともおかしくないのです。
すべてを日本で完結させなければならないことはないのです。
特に近年は欧米からアジアに勢いが移ってきたことを、海外への旅へ出ると痛感します。
何も中国だけでなく、マレーシアやシンガポールでも勢いを感じるのです。

だから大上段に「グローバル」と構えることもなく、ちょっと“ぶらっと”アジアへ旅立ち、そこでの投資やロングステイを考えてもいいのではないでしょうか。
もうそんなことが当たり前になる時代が、すぐそこまでやってきているのです。