どの分野で行くのか?

インターネットが世に出てきて15年になります。
またその間ハードのパソコンや携帯電話などの劇的な変化には目を見張るものがあります。
私たちはたまたまこの時代に生まれたのですが、まさに情報革命のド真ん中にいるのではないでしょうか。
世の中の動きに合わせてITが動いているとも言えるし、逆にITに合わせて時代が動いているとも言えそうです。

今までどこで調べたらいいのかわからなかった情報や資料も、インターネットを使えばあっと言う間に見つけることができます。
例えば世界の天気一つとっても、これまでは調べようがありませんでした。
「電車の乗り換え案内」も重宝しているのですが、こういったものも15年前はいったいどうやって調べていたのか思い出せないぐらいです。

買い物をしている時間があまりないので、たいていのものはインターネットで調達します。
何か必要なものがあり、近くの商店では売っていない場合、大阪へ買い物に出ると半日は潰れていました。
それが今ではホイホイとインターネットで購入できてしまえます。
百貨店の売上がジリ貧になっていくのも仕方がないかもしれません。

前にも書いたのですが、いま街で増えているのが整体院やマッサージのお店。
これらはインターネットではサービスを受けることが出来ません。
お店ではないのですが、最近増えているコインパーキングだって、インターネットでサービスを購入するわけにはいきません。
コインパーキングはまさに「地べた産業」そのものです。

不動産業でも「客付け」はインターネットに力を入れなければ、もうどうしようもありません。
マンスリーマンションやシェアハウスの客付けは、もう100%インターネット。
「住まい」の一形態なのに不動産業者が介在していないのです。
競合とかそんな問題ではなく、まさに「スルー」。
不動産業者がスッカリ抜けているのです。

不動産業でも「製造」に回るか「卸(おろし)」に回るか「小売り」に回るかという問題があります。
「製造」とはマンションデベロッパーやパワービルダー(建売業者)のこと。
物件仕入力や資金力や情報力が勝負です。
「卸」は賃貸業で言えば管理側に回ること。
自らは仲介を行わないけれど、よりいい管理システムを作り上げていくことに努力している会社もあります。
「小売り」は客付け仲介業務。
営業マンをそろえたり、広告費をかけたりする必要があります。

どの分野で勝負していくかは、各会社の事情や考え方によって違うわけですが、どの分野で行くのかの方向だけは決めておかなければなりません。
案外ここが曖昧(あいまい)で、出たとこ勝負で事業を行っている不動産会社が多いように思うのです。