本の引越し

読書家にとって一番の問題は、本を置くスペースの確保。
すべて図書館で借りてくるのだったらいいのですが、自分で買った本はどこかで保管しなければなりません。
「チリも積もれば山となる」で年数が経てば、バカにならない量になります。

学生時代に渡部昇一先生の本を読んで、自分の蔵書を持つことの大切さを知り、以来相当なお金を本につぎ込んできました。
ただしこの投資は、今の時点においても、決して無駄にはなっていないと確信できます。
よく冗談半分で言うのですが、読書家は本を買ったり、それを保管する場所を確保したりするための「経済力」が不可欠だし、本が数冊入った重いカバンを持ち歩かないといけないので「筋力」も必要。
単に青白きインテリでは、真の読書家にはなり得ないのです。

引越しを前に、2階の書斎の本の整理をしました。
書斎には、今まで読んで感動した本と、買ったままでまだ読んでいない本とが置いてあります。
それら以外の本はすべて、別の場所に建てた「マイ図書館」へ。
まだ読んでいない本だけ、段ボールに詰めようと作業に取り掛かりました。
なんと段ボールに40箱以上。
1,500冊もの本を、買ったままでまだ読んでいないのです。
それにしても木造の2階に、これだけの本を収納していて、阪神大震災でよく家が潰れなかったものだと、改めて感謝しました。

マイ図書館の方の本は、引越し会社の人によると、段ボール200箱分だそうです。
こちらの方は、ダンボール詰めから次の書棚に並べるところまで、すべてお任せ。
こんなのを自分でやっていたら、本業の方の仕事が出来ません。
時間をお金で買うつもりです。
あまりに本が多いため、引越しは「本の引越し」と「家具や生活用品の引越し」との2回に分けて行います。
その本の引越しだって、「マイ図書館」と「自宅の書斎」と「会社の書棚」の3ケ所からの移動。
ほかのものは半分は捨てていこうと考えているのですが、本だけは全部持っていくつもりです。

私の本は全部で2万冊もないと思うのですが、渡部昇一先生の蔵書は15万冊。
以前のご自宅では本が収納し切れなくなって、今度引越しされたようです。
私の夢の一つに、渡部昇一先生の書斎を拝見させていただくというのがあります。
今度の地下書庫は3万冊の本が収納可能。
電動式の書庫を入れます。
しかしそれとて本がいっぱいになるのは時間の問題。
年に1,000冊読むとして十数年しか持ちません。
この際あまり先のことは考えないことにいたします。