デフレからインフレへ

アベノミクスが浸透し、久しぶりに人が足りないという状況になってきました。
ギリシャやスペインのような失業率が25%を超える世の中と比べると、天国のようなものです。
ただ建築費の高騰など、実体経済に支障をきたす現象も顕在化してきました。

埼玉県のある生コン協同組合では需要急拡大のため、ミキサー車が足りません。
新車は納車までに18か月。
それ以上に運転手不足で、生産量を増やすことができずにいます。
これまでの建設不況で運転手の離職が相次いだという事情もあります。

飲食サービス業を中心に賃料が上昇しています。
ワタミは労働環境の改善と人手不足に対応するため、全店舗の1割に当たる60店舗を今年中に閉鎖するとのこと。
実に思い切った手を打ってきました。
経営資源を残った店舗に集中させることにより、経営的には案外かなりプラスになるのではないかという気がするのです。

拡大ばかりではなく、ここはいったん縮小するわけです。
一つの店舗での人材の厚みが増し、顧客サービスが向上すると思うのです。
ふつうに考えれば、業績の悪い店舗を下から1割閉鎖するわけで、減収になっても増益になる可能性が高いのではないでしょうか。
今後のワタミの業績の変化を興味を持って観察していこうと思っています(そのためにも株を購入するのが一いいのですが…)。

イオンは大型ショッピングセンターの出店数を2〜3割減。
セブン系スーパーのヨークマルベニは半減。
いずれも建築費が5割近く高騰したためです。

デフレの時代には考えられなかったことが起こり始めています。
日本経済は、ここ25年間はデフレ。
その前はずっとインフレでした。
インフレが長い間続いたあと経済がデフレに突入した時、企業経営者も政府もどう対応したらいいのか分かりませんでした。

今回のインフレへの転換も、デフレに慣れた頭で考えていると、うまく対応しづらいかもしれません。
世の中の変化に合わせて自社も変化させていかなければ、生き残っていけないのです。
当社の打つ手は、人を増やさず、業務の内容を質量ともに見直していくこと。
そのためにも、ITやアウトソーシングの徹底活用を実現化していこうと考えています。