中国現代史のターニングポイント

中国がGDPで日本を抜き、世界第2位の経済国になったとの報道を最近よく耳にします。
しかし本当にそうなのかどうか、私は疑問に思っています。
なぜなら中国のデータはデタラメであることが通り相場だからです。
中央政府が経済目標を掲げると、地方政府は「数字の作文」でそれを達成させたかのように繕(つくろ)うのです。

中国のデータを真に受けて、どうしてマスコミが真偽もハッキリしないことを報道するのか、よく分かりません。
消費者物価指数だって、4%台の数値を発表しました。
そんな低い数字ではないことは、中国人ならみんな知っています。
生活が苦しくなるほどの物価上昇が起こっているからです。

今アラブ社会で民主化運動が激しくなり、いくつかの政権が潰れました。
この影響が中国に波及するかどうかは分かりませんが、もし中国の民衆が「職」を失い「食」も失うようなことがあれば、民主化などという次元ではなく、中国にも大きな動乱が起こる可能性があります。

今でも中国では5人以上の集会は認められていないと聞きました。
もし何十人もの人が集まったなら、公安(警察)がやってくるとのことです。
ところが昔は公安が来たら、みんな逃げたのですが、最近は逃げなくなったのだそうです。
公安に押さえきる力がない時は、人民解放軍の登場となります。
天安門事件では「人民解放軍」は「人民抑圧軍」となったわけですが、もし人民解放軍が群衆を押さえる能力や意思がない場合、中国政府はあっという間にエジプトのムバルク政権のようになってしまいます。

人民解放軍は中国軍というより、あくまでも中国共産党の軍隊なのですが、「党」は「軍」の支えによって国を統治できているとも言えます。
先日アメリカのゲーツ長官の訪中に合わせて、軍がステイル戦闘機の試験飛行を行い、これを中国政府の高官が誰も知らなかったという「事件」が起こりました。
軍の暴走とも言えるものですが、現在の中国ではシビリアンコントロールが利いていないことが露呈されました。
「党」よりも「軍」の方が力を持ったことを示す極めて重要な事件、もっと言えば歴史上のターニングポイントであると言えるかもしれません。