中国語の話

スグレものの中国語CDを香港で手に入れたので、予定よりも早く中国語を始めることになりました。
「我開始中国語」なのです。
漢字はもう知っているので、欧米人が初めて中国語に接するよりも、数倍時間が短縮できそうです。
それに中国語の文法はけっこうシンプルです。
名詞も動詞も“ややこしい”変化をしません。
しかも名詞と動詞は同じ形で、例えば中国語の「开始」(「开」は「開」を簡略化したもの)は「開始」と「始める」の両方を意味します。

動詞は変化せず、過去形や未来形もないのです。
「きのう」や「あす」という言葉をつけて過去や未来を表現するわけです。
日本人の苦手な「冠詞」もありません。
アジアの言葉には冠詞がなく、アラビア語やヨーロッパの言葉には冠詞が必要になってくるようです。
冠詞は日本人にとっては、けっこう厄介で、ドイツ語などをやっているとストレスにすらなります。

例えば「私」は中国語で「我」。
主語であれ、目的語であれ「我」ですんでしまいます。
英語なら I・my・me と変化するし、ドイツ語なら Ich・mein・mir・mich と変化。
おまけにドイツ語の場合、男性名詞、女性名詞、中性名詞があって、それがまた状況によって変化するので、ほとんどお手上げです(ただし、そのへんを少々間違えようと、コミュニケーションには問題がないというのが救いではありますが)。

日本語から“ひらがな”とカタカナを取り除き「S・O・V」を「S・V・O」にすれば中国語の出来上がりという冗談もあります。
日本語の「音読み」と中国語の読み方とは、似ているものもありますが、全然違うものもあります。
音読みは元々中国から入ってきたものですが、長い歴史とともに、少しずつ違ってきたのかもしれません。
中国語の漢字には、それぞれ一つの意味と一つの発音のみがあります。
日本語の音読みのように、いくつも違う読み方があるなんてことはないようです。
たまに「多音字」というのがあるのですが、これは意味が違うので読み方も違うというケースです。

中国語にはたくさんの方言があり、お互いに通じないようなのです。
ということは、少々間違った言い方をしても、別の方言を喋っているようなフリをしておけばいいわけです。
「あっ、間違った」といちいち焦らなくてもいいのです。
ドイツ語も各地の言葉を大切にするので、標準語ではない発音をテレビなどでも堂々としています。
私はそれに乗じてムチャクチャなドイツ語を平気な顔をして話すことがあるのですが、中国語でもその手が使えそうです。