「まさか」を招くもの

現市長が収賄で逮捕されました。
前市長も逮捕で辞任。
二人続けて逮捕という異常事態です。
私は地元民なので、二人ともよく知っています。
人には栄枯盛衰があり、勢いのある時もあれば、今回のように「まさか」もある。
人のことは客観的に見ることが出来るので、まことによく分かるのです。

前W市長は28歳の時に県会議員に立候補した時から、コツコツと票を集め、市長選では過去最高の得票数で当選しました。
しかしその期に「まさか」の逮捕。
最初の頃はまわりにはいい人たちが集まっていたのですが、だんだんと取り巻き連中が悪くなり、遂にはパチンコ業者とつるんだことで逮捕。

本人にも言い分はあるのでしょうが、やはり態度が知らず知らずのうちに傲慢になっていたのは否定できないでしょう。
災難はその傲慢さが引き寄せたとも言えるのではないでしょうか(人のことはまことによく分かるのです)。
年上の人間にもキチンとした敬語を使わず、私も「これはいかんなあ」と感じていました。

現S市長は、そういった傲慢さはあまり見られないのですが、市長になる前に市民税を滞納していたことが明らかになるなど、どうも基本的なところで疑問符が付いていました。
数々のスキャンダルや失言のたびに叩かれてきたのですが「この人は本当に打たれ強い」と変なところで私は感心しておりました。
しかしながら、あのまま任期を終えたとしても、果たして次の選挙で当選していたかどうかは分かりません。

経済的な基盤がないまま政治家をやっていると、落選を始め何か具合が悪いことがあると、あっという間にすべての基盤を失ってしまいます。
WさんもSさんも、普通に会社勤めをしていたり商売をやっていたりしていたならば、そこそこ成功して悠々としていたのではないでしょうか。
そこが虚業と正業の差ではないかと思うのです。

政治家を目指す人は自己顕示欲がとても強く、本をあまり読みません。
友人としてはちょっと敬遠したいタイプの人が少なくないのですが、政治の世界ではそうでないと務まらないのかもしれません。
名経営者と思われる人が、政治家になっても上手くいかないことが多く、政治とビジネスとはまた違った才能が必要なのでしょう。
さて次の市長はだれなのか?
地元民として非常に興味を持っています。