心の掃除の仕方

ていねいな生き方をしていると、心が丸くなります。
自ずと穏やかな性格に。
私の人間的な目標はもちろん鍵山秀三郎先生。
鍵山先生に限らず「謙虚な努力家」というのが、世の中で一番好まれるのではないでしょうか。
世の中だけでなく、天が最も好むタイプだという気もします。

ていねいな生き方は、両手を使う生き方。
掃除一つ取っても、片手でするのと両手を活用するのとでは、掃除の質に雲泥の差。
モノを人に手渡す時でも、片手ではなく両手で。
両手で渡すと、真心まで渡せてしまえるという感じになるから不思議です。

モノを置く時はていねいに置くべし。
もうそれだけで2ランクぐらいレベルの高い上質な生活になります。
ものを言うときは、早口でなくゆっくりと。
声高にしゃべる時より、この方が相手にずっとよく通じます。
私の尊敬する人は例外なく落ち着いた話し方をなさいます。

例え相手と違う意見であっても、相手を尊重し、しかもちゃんと自分の意見を通していく。
「相手を尊重する」というところが抜けていると、単に闘争の世界に入っていき、けっして自分の考えが通じるということはありません。
これは礼儀であり智恵でもあります。

茶道はお茶を飲むという目的だけを追求しているのではなく、その過程をすごく大事にします。
決められた動きを“きちんきちん”とていねいに追うことにより、心の充足感が得られていきます。
動作(お手前)が整うと、心まで整ってしまうところが面白いですね。

心が乱れると服装が乱れ、服装が乱れると心まで乱れる。
内部の乱れが外部に現れ、外部の乱れが内部にまで波及する。
掃除をすると心が整う。
部屋が乱雑になれば、必ず心も乱れる。
内部の乱れと外部の乱れは、見事に一致しているのです。
逆にまわりの環境をよくすれば、心の中まできれいになってしまいます。
心を取り出して掃除するわけにはいかないのですが、心を掃除するのは実に簡単。
自分の近辺を掃除すれば、それでO.K.

掃除は時間のムダではなく、一番大切な仕事だと思います。
掃除の中でもトイレ掃除は花形。
これを会社のトップがやらない手はないと思うのです。