今こそ「お雇い外人」を

“Sovereign Wealth Fund”というのが、時々新聞に出てくるようになりました。
「国富ファンド」と訳されているのですが、要は政府が主体となって行なう投資ファンド
例えばシンガポールのリー・クワン・ユー元首相が中心になって行なっているシンガポール・ファンド。
「製造業で中国に圧倒されても、投資業で国民を食べさせていく」との意気込みとか。
リー・クワン・ユーさんならやってしまいそうな気もします。
石油による潤沢なお金を投資資金とするアラブ各国のファンドは前から有名です。
先日はロシアの国富ファンドが日本の株を購入するとの新聞記事が出ていました。
中国か韓国か忘れたのですが、まだ投資に対するノウハウが蓄積されていないので、国富ファンドに外国人専門家を高額な報酬で雇っているというのも読みました。

海外の大学などでは、投資によって学校の基金を確実に増やしているところもあると聞きます。
日本政府も税金を取ることばかり考えずに、国民から預かった資金を投資によって増やす工夫をしてみてもいいかもしれません。
日本の個人金融資産は1,500兆円あると言われています。
これを毎年10%の利回りで回すとすると、150兆円。
こうなると税金は一切取らなくていいようになるかもしれません。

ただし一般的に日本人は投資が苦手。
ましてや役人が主体でやろうとしたら、まず十中八九うまくいかないような気がします。
失敗したときの責任のため無難なことばかり考え、結局まともな投資にならないかもしれません。
もし日本が国富ファンドを立ち上げるとしたら、やはり運用は腕利きの「お雇い外人」に任せるのが一番。
明治時代、先進諸国に必死になって追いつこうと努力した政府は、各分野で優れた外国人指導者を雇いました。
「ボーイズ・ビー・アンビシャス」のクラーク博士もその一人です。
だから今回はお雇い投資顧問というわけです。

大相撲だって外人力士が大活躍しているではないですか。
世界中から有能な人材を引っ張ってくればいいのです。
ちょっと古いけど、イギリスのサッチャーさんなど、イギリスの首相を辞めたあと、日本の首相にヘッドハンティングすればよかったのです。
やや旬は過ぎたかもしれないけれど、日産のゴーんさんなどを日本の財務大臣に抜擢し、しがらみのない強みで「ミスター・コストカッター」の辣腕を大いに発揮してもらえば、財政赤字も少しは改善するかもしれません。

世界中から優秀な人材を高給でヘッドハンティング
また日本からヘッドハンティングされることが最大の名誉と感じられるような風潮になればしめたもの。
競い合って成果を日本のために出してもらえばいいのです。
知事や市長などの行政の経営者を、世界中からヘッドハンティングしてくる時代が、もうそこに来ているのかもしれません。