石(いは)走(ばし)る 垂水(たるみ)の上の さわらびの 萌え出(い)づる春に なりにけるかも

志貴皇子(しきのみこ)の句です。
滝の上のワラビに、春の訪れを感じる著者の感性。
待ち遠しかった春の訪れを喜ぶ気持ちが、こちらにまで伝わってきます。
「垂水」というのは滝のこと。
「さわらび」の「さ」は、接頭語で、「芽を出したばかりのワラビ」のことです。