トレードオフ」もしくは「引き算の決断」というのがあります。
「何をするのか」だけでなく、「何をしないか」の意思決定と言い換えてもいいかもしれません。
宅急便の創始者である、クロネコヤマト小倉昌男さんは、1976年に宅急便を始めると、わずか3年後に商業貨物輸送からの撤退を宣言しています。
海のものとも山のものとも分からない宅急便に社運をかける勇気(あるいは無謀さ)。
百歩譲って、宅急便が有望な商品と見込めたとしても、商業貨物の分野は別に残しておいてもいいわけです。
それをスパッと切ってしまう。
あまりにもリスクが大きいのですが、もし宅急便に特化しなかったら、今のような市場は創出されていなかったに違いありません。
宅急便によって、人々の生活が変わってきたとも言っても、決して大袈裟ではないと思います。
世の中自体が、変革されたわけです。