2006-02-20から1日間の記事一覧

この本は、山田洋次監督の『学校』という映画の原作でもあるようです。 松崎運之助さんといい、水谷修さんといい、ほんとうにスゴイ人たちが教育界で頑張っているのですね。

ときどき母親が過労のため、寝込むことがあったのですが、幼くて事情がわからない弟や妹は、「おなかがすいた」と母親のそばで「ピー、ピー」泣いていたとのこと。 本当に泣きたかったのは、まさに母親に違いなかったと、松崎さん。

母親は建設作業現場で働き、小学校低学年だった松崎さんは、弟と妹を連れて、夕方仕事を終えた母親を迎えに行ったそうです。 母親の姿を見つけると、小さな子ども達は歓声を上げて、母親の元へ。 母親は疲れていただろうに、丘の上へ子ども達と一緒に登り、…

松崎運之助さんは、夜間中学の生徒(といってもけっこう年配の人もいるのですが)と同じ目線で、その慈悲の心がこちらにまで伝わってきます。 松崎さんが子どもの頃、父親は愛人を作り、家を勝手に売却して、そのお金を持って失踪してしまったそうです。 あ…

教師である松崎運之助さんも、中学を卒業して、すぐに就職したのですが、夜間高校、夜間大学を出て、教育実習に夜間中学を選んだことから、夜間中学の教師になることを決意したそうです。 なぜ教育実習が夜間中学だったかというと、自分も昼間会社で働かなく…

夜間中学に通う人たちは、ちょっと私のまわりにはいないような、厳しい境遇の持ち主が多いことも事実です。 その中でも、父親が酒乱で働かず、子どもの頃、家庭崩壊にあったケースが少なくありません。 働かない男は最低ですね。

『学校』(松崎運之助・晩聲社・1,600円)

松崎運之助さんは、夜間中学の教師です。 夜間中学には、義務教育の中学校を、何らかの理由でいけなかった人たちが来ています。 自ら学びたいという強い学習意欲を持って、昼間は仕事、夜は学校と、ハードな毎日を過ごす人たちが中心となっています。