日本の神道はいつが起源か分からないほど古い宗教です。
日本人の生活に融けこんでいる宗教なので、日本で「神社にお参りに行く」といっても、誰も怪訝な顔をしません。
もしこれが新興宗教であれば、熱心に信仰していると、まわりの人にちょっと「引かれる」ということがあるかもしれません。
その点、いらぬ気を使わなくてもいいだけ、随分と助かっています。

神道には経典といったものがありません(古事記だって神々の物語ではありますが、教えを説いた書物ではありません)。
しかしながら何となく、日本の神々が好まれることが分かります。
日本の神々は礼儀を好まれます。
だから参拝の時には、できるだけキチンとした服装で、ていねいにお辞儀をすべきなのです。

また日本の神々はキレイ好きでもあります(だから掃除が大切)。
そして日本の神々は大らかでもあります。
神道が浸透した家庭や学校は、ギスギスせずに大らかで朗らかなので、すぐにわかります。

神道の根底には「ポジティブ・シンキング」があるように感じるのです。
そう「前向き思考」です。
大阪・千里で行われた「エキスポ70」でのテーマは「進歩と調和」だったのですが、誰が考えたのかは知りませんが、まさにこれこそ神道の特徴をズバリと言い表した標語でした。

ほとんど表に出てこられないのですが、神道には天之御中主神(あめのミナカヌシの神)という最高神がおられ、この方が「発展」を司(つかさど)っておられます。
一方、天照大神は主に「調和」を担(にな)っておられるのです。
つまり二柱(神さまを数える時は『柱(はしら)』を使います)の意味するところが「進歩と調和」なのであります。