会社は大きくすべきか?

経営者であれば社員のモチベーションをいかに高めるかに、常に頭を痛めていると思います。
その手段の一つとして、社員の誕生日にプレゼントをすることに決め、それを何にするかを一生懸命考えている経営者もいます。
私に言わせれば、そんなことはどうでもいいことであって、社員のモチベーションよりも経営者のモチベーションの方が1万倍重要なのです。

誕生プレゼントを何にするかなどを考えている暇があるのなら、経営方針を考え、経営戦略を立てるべきなのです。
会社の利益を上げ、社員の年収を上げるほうが余程社員のモチベーションが上がるではないですか。

還暦を過ぎた私は、もう社員のモチベーションをいかに上げるかなどは考えないことにしました。
よく社員研修などが行われますが、やる気のある社員はセミナーなどせずとも、勝手に勉強するのです。
勉強する人とは「同志」として付き合っていきたいと考えています。

やる気のあるスタッフと接すると、こちらのモチベーションまで上がってきます。
逆に「やる気」のない社員だと「どうせこの人に頼んでもアカンやろ」と最初からギブアップの気持ちになってしまうのです。
この差は大きく「採用の失敗は教育では補えない」は真実なのです。

ヒトの問題で頭を痛めなかった経営者は皆無だと思います。
そんなにヒトの問題で悩まなければいけないのだったら、最初から人を雇わなければいいではないですか。
IT化やアウトソーシングで、かなりの省力化が出来るのではないかと思うのです。
だのに懸命に人を増やそうとするのは、ひょっとしたら経営者の見栄もあるのではないでしょうか。

製造業を親から引き継いで20年以上も経営している後輩がいるのですが「会社が大きくなるにつれ、自分の収入が減っていく」とボヤいていました。
思わず「今頃気がつくのは遅い!」とツッコんでしまいました。

「○○業とハレモノは大きくなったら潰れる」とよく言われます。
「○○業」のところは、どんな業種でも当てはまってしまいます。
今まで観察していると不動産業の場合「社員数70名」が一つの分岐点のようです。
華々しく活動していた不動産会社が、社員数が70名を超えた途端、大きく屋台が揺らいでしまった例(含む倒産)を何度も見てきました。