蔵書のある生活

武士の普段の生活は質素で、けっして華美な生活をしないというのが、一種の約束事なのですが、そんな武士でも唯一、いくら贅沢をしてもいいというものがあるのです。
それは刀。
なぜなら刀は士の魂だからです。

知的生活者にとっての本はサムライの刀と同じ。
まさに魂そのものです。
従って本に関してはいくら贅沢してもいいし、また自慢してもいいということになります。
これは渡部昇一先生の持論なのですが、私自身も全く同感であります。

学生時代に読んだ『知的生活の方法』は、私自身の人生の方向付けを決定しました。
書斎と書庫のある家に住むというイメージを、潜在的にも顕在的にも持ち続けてきました。
で、今はそのイメージが実現しています。
いま私の蔵書は、たぶん1万5千冊ほど。
これが倍になっても十分収納するスペースはあるのですが、3倍になるとお手上げになります。
今のペースだと年に1,200冊の増加。
10年で1万2千冊。
20年だと2万4千冊。
これは読む本だけであり、買って読まない本も入れるともっと多いのであります。
もうこの辺で収納的には完全にピンチ。

95歳まではバリバリの現役を宣言しているのですが、実は密かに100歳までは働こうと思っています。
当然読書も続けます。
ということは、あと40年このペースを続けると約5万冊が増えるということになります。
速読的には、新しい境地に突入しかかっているので、もっと多くの本が読めるようになるかもしれません。
近所に会社の書類を収納しているワンルームマンションを所有しているのですが、将来当然そこも私の蔵書で埋まるに違いありません。