過程を楽しむ

日々の生活の中に小さな喜びを見つける生き方は、かなりの確率で人生を成功に導くように思います。
日常生活の中で、そうそう刺激的なことがあるわけでもなく、逆にそういった刺激ばかりを追っていくと、感覚がマヒするし、ドツボへのリスクも高いように思います。

今の天皇陛下の英語の先生をしていたアメリカ人女性(名前は忘れました)は、若いころ雁が群れをなして飛んでいるのを見て、心が奪われるほど感動したことがあるそうです。
ほんの小さなことに感動できると、人生は宝の山になります。
松下幸之助は最初から大きな目標を持っていたわけでもなく、毎日を懸命に生きていることにより、あの大きな松下電器が出来上がったわけです。
夏の日、仕事が終えて行水をし「今日もよく働いた」との満足の連続が今日のパナソニックにつながっているともいえます。

大きな目標や夢を持つことは素晴らしいことですが、そこへ辿(たど)り着くまでには、地味な努力を重ねていかなければなりません。
山の頂上に登るには、一歩一歩歩くしか方法がないわけです。
その一歩一歩を楽しむことが出来れば、こんなに幸せなことはありません。
登頂することだけが幸せで、途中の一歩一歩がすべて不幸だとしたら、あまり意義のある登山ではないような気がします。
ましてや登頂に失敗した時は、すべてが失敗ということになってしまいます。

神様の目から見て好ましいのは、喜びいっぱいで一歩一歩を歩ける人間ではないでしょうか。
目標への過程も幸せ、目標達成も幸せ。
ならばすべて幸せ。
過程を大事にするところにこそ、幸せへ秘密がいっぱい詰まっていると思うのです。
自分の成長への喜び。
ほんの小さなことに気付く喜び。
「努力は恩寵に如かず」を十分に理解し、しかるにコツコツとした努力を重ねる姿勢。
そんな人生の第3ステージでありたいと考えています。