本の紹介 『遊撃手論』

deguchi2009-07-03

久慈照嘉・矢崎良一・PHP研究所・1,400円)のご紹介です。
野球の中でも遊撃手に的を絞っての本なのです。
そんなニッチな話で本が一冊出来上がるのかと思うのですが、読んでみたら意外に面白い。
野球一つ取っても奥が深いのですね。

昔はサードが花形で、それこそ弾丸のようなボールが飛んできて「ホットスポット」とも呼ばれていました。
しかし今は左打者が激増したのと、右打者でもライト方向を狙う打撃が多くなったので、昔に比べるとかなり「暇」なポジションらしいのです。
それに比べてショーとは守りの要(かなめ)。

本書の中ではヤクルトの宮本選手や中日の井端選手が高く評価されています。
しかもこの二人は将来の指導者としても期待されている存在だそうです。
野球はつい攻撃ばかりに目が行ってしまいますが、守備のいいチームやミスのないチームが結局は勝利するゲームのようです。

昔、阪急ブレーブスに大橋譲(ゆずる)という伝説の名ショートがいたのですが、ぜひ一度そのプレーを見たかったものです。
打撃のほうは2割そこそこだったのですが、守備力だけであの強い阪急のレギュラーに収まり、しかも今でいえば1億円プレーヤー。
阪急の本拠地である西宮球場はショートの位置の芝生を10m広く削っていたとのこと。
つまりそれぐらいショートの守備範囲が広かったということなのです。