「感動店」と「反面教師店」

書斎のソファを買うのに、大阪のO家具に行きました。
一番期待していたのは品揃え。
大きな広い売り場ゆえです。
自分の希望にピッタリなものがあるのかどうかは、家具のような非日常的な買い物では、とても大切な購入のポイントです。
数が少ないと選択の幅が狭まり、どうしても満足からは遠ざかってしまいます。

価格も「最低価格保証システム」があるそうで、もし同じ商品、同じ条件で他店よりも高ければ、同じ価格まで下げるとのこと。
ならば最初から安く価格設定してあるだろうという安心感があります。
予想以上に良くて意外だったのは、接客態度。
若い担当者が付いて案内してくれるのですが、一流ホテル並みの対応。
商品知識も豊富で、購入するのに大変参考になりました。
品揃え、価格、接客態度のどれをとってもすばらしく、これでは街の家具屋さんは太刀打ちできないだろうなと思った次第です。

宝塚の武庫川に面したところに、あるバーがあります。
私は飲みに行くことがほとんどないので知らなかったのですが、経営計画発表会のあと、社員たちと一緒に入ってみました。
中はとてもムードがあり、また接客態度も抜群で、これなら帝国ホテルのバーにも負けないなと感じました。
カラオケなどありません。
顧客層も上品で、全体的にとてもいい雰囲気を醸(かもしだ)していました。

こういったすばらしいお店に入るとちょっと感動。
当社もそういった感動を顧客に与えているのかどうか…。
どんな繁盛店でも、接客態度が傲慢になったり、仕事に手を抜いたり、内部が乱れたりすることが、長い歴史の中には必ず出てきます。
そんな時に経営者がどのような手を打つのかが非常に大事。
文字通り、会社存続の一大事でもあります。

ある有名なレストランに行きました。
混んでいたこともあり、料理が出てくるのがとても遅く、また出てきた料理も少し冷め、味がもうひとつでした。
高い値段と味とのバランスが、全く取れていません。
最後に出てきたコーヒーはダメ押しで、とても不味(まず)いものでした。
店全体の油断が滲(にじ)み出ていました。

これらの「感動店」や、逆に「反面教師店」に行くと、とても勉強になります。
恐ろしいことに「感動店」や「反面教師店」は固定したものではなく、何かの拍子で逆になる可能性もあるのです。
一つ言えることは、社長は常に全身全霊で経営に打ち込んでいなければならないということ。
もしそれがイヤだったり、出来なかったりするならば、即刻辞めるべきだということ。
もう一度襟を正して、経営に集中していこうと思うのです。