不動産市況と今後の方針

この6月から、建築確認の許可が下りるのに物凄く時間がかかっています。
今までの3倍ぐらいでしょうか。
姉歯事件のためです。
建築業界や不動産業界に、相当の影響が出始めています。

建築関連商品は、既に減産体勢に入っています。
建築資材は高騰してきたのに、今度は逆に下がり傾向とか。
マンションデベロッパーの中には、仕入れた土地を商品化できないので、資金繰りに行き詰るところも出てくると予想されます。
ということは、土地の売物がたくさん市場に出てくるということ。

ファンドバブルも弾け、高値での買い手が極端に少なくなり、そして売り物件も増える。
つまり不動産価格が下がるということです。
首都圏のビルや一等地はビックリするぐらいの高騰を続けてきたわけですが、来年の行方を興味を持って見ていきたいと思います。

ここ2,3年、90年バブルをも超える勢いで、マンションの供給が行われてきました。
一般購入者には低金利デベロッパーには金融緩和という追い風で、極めて順調な販売が続いてきたように思います。
しかしここに来て供給過多。
そこに突如として、建築確認による供給ネックが現れました。
ということで案外、需給のバランスが取れるようになるのかもしれません。
新築がしばらく供給されないとすると、駅近・築浅の中古マンションに人気が出てくるかもしれません。
子育ての終わった世代が、山手や郊外の住宅地から、駅近のマンションを求めて移り住むという傾向も強くなってきています。

駅近・築浅マンションは、売買でも賃貸でも根強い人気があります。
こういった物件に特化した仲介業や買取販売業は、今後のトレンドに合致しているかもしれません。
駅近(当社の場合は店近〈みせちか〉でもあります)に特化して販売や賃貸をするなら、営業車だって不要になります。
歩ける範囲に営業エリアを絞るなら、地域情報に精通し、地域特性もしっかり把握でき、早い話が「重要事項説明書」だって簡単に作れてしまいます。
売買物件でも賃貸物件でも、担当者が自信を持ってお薦めできるほど強いことはありません。

コインパーキングは当社の事業の柱に育ちつつありますが、もう一本の柱として「店近物件特化事業」を、もう一度見直してみる必要があるかもしれません。
事業やエリアを絞った場合、それで自社が食べていけるのかという問題があります。
それをクリアする方法はずばり「損益分岐点を下げる」。
当社もここ6,7年の間に、固定費が半分になりました。
特にここ2,3年の損益分岐点の低減化は、相当加速しています。
舵取りを変える条件は整ってきました。
「コインパーキング」と「店近物件」への重点化。
来年以降の新しい方針は、どうもこの辺に落ち着きそうです。