大連・旅順の旅

大連の人口は600万人。
大連では職が見つけやすいので、ほかの東北地方(旧満州)からも人が集まって来て、人口は増えていっているそうです。
600万人と言えば、ヨーロッパなら一つの国になってもおかしくありません。
大連の街も相当空気が汚れていて、スモッグが見られます。
街はゴチャゴチャしているし、交通マナーは悪いし、歩いていても全然楽しくないのです。

大連の緯度は仙台と同じぐらい。
8月の温度は28度ぐらいで、2月はマイナス10度ぐらいとのこと。
ハルピンなどはマイナス40度(!)ほどになるので、それと比べると「過ごしやすい」のだそうです。
大連でも「森ビル」を見つけました。
上海の「森ビル」は超・超高層ビルですが、ここ大連はふつうの「大規模ビル」でした。

旅順は大連からクルマで1時間ほど。
旅順へ行くほど空気がよくなり、また道も景色もすっきりしてきます。
時たま高級分譲マンションも見かけ(日本の高級分譲マンションと比べても全く遜色はありません)、旅順という小さな街で、それらを購入するほどの経済力および需要があるのかなと疑問に感じました。
ちなみに旅順の人口は21万人とのことです。

今回の旅順への旅は、日本語ガイドを雇いました。
これはかなり正解で、いろんなことを教えてもらいました。
大連の年収は日本の8分の1ぐらいではないかと思うのですが、それに比べると物価は高く、ガイドの若い女性も5人でルームシェアをしているそうです。
家賃は4万5千円ぐらい。
一人で割ると月9千円の負担。
彼女の給料が約2万5千円とのことでした。

今、食べ物やガソリンを始め、さまざまなものが値上がりし、生活はかなり苦しいとのことです。
ガソリンは1リットル10元になり、日本円に直すと130円強。
年収と比べたら、相当高いわけです。
ガイドさん曰く「大連のマンションの価格は下がっていない」とのことでした(若い女性だったので、マンションの価格に疎かったかもしれません)。

中国の景気がいいのか悪いのかは、大連の街を歩いているだけではよく分かりませんでした。
ただ食料品や生活用品の値上げは間違いないようで、生活はかなり厳(きび)しいようです。
職を持っている人でも大変なのに、失業している人は一体どうしているのかと思います。
かといって街には高級車が走り回っているので、所得格差は相当のものに違いありません。
しかしアメリカンドリームのように、格差が上昇エネルギーを生み出すといった感じはなく、何か不都合なことが起こると、一挙に社会不安が広がりそうな予感がします。