選挙にもバブルがある

民主党の圧勝となりました。
テレビで戦況戦の様子を見ていると、「民主党」対「自民党」と言うよりも、「若者」対「古株」と言った感じがしました。
民主の若手新人が颯爽(さっそう)と自転車などで走り回るのに対し、自民党の古手議員は防戦一方。
辛うじて比例区で復活した人もいますが、そのまま落選となり消えていく人も少なくありません。

前回の衆議院選挙では小泉自民党の大勝利。
それが一転して、今回は予想以上の大敗。
「天国から地獄へ」はこういうことを言うのでしょう。
「サルは木から落ちてもサルだが、議員は落ちたらタダの人」というのは、よく言われる言葉ですが、落選というのは職を失うことでもあります。
秘書などのスタッフの中には、即・求職活動を始めなければならない人たちもいるはずです。
議員引退するにも借金を抱えていては、普通は返済不可能。
次の選挙を目指すにしても、無職のまま4年間を過さなければいけないのは大変です。
家族にとっても迷惑千万。

経済の動きでもよく体験するのですが、時の勢いというのは、個人では抗しようがない場合が多いように思います。
勢いを持った株の上がり下がりの場面でもそうですし、バブルやまたその崩壊のエネルギーに一人で立ち向かうわけにはいかないのです。
時の勢いがブームをもたらし、またそれに輪をかけたものがバブル。
前回の自民党勝利や今回の民主党圧勝は、考えてみればまさにバブルそのものかもしれません。

今回惨敗した自民党ですが、この嵐の中でもやはり生き残っている人たちがいるのです。
足腰が強いとはこのこと。
今後も少々のことではビクともしないはずです。
逆に消え去っていく自民党の「重鎮」も少なくありません。
政界浄化になってよかったなと思える人も含まれていて、これはこれで天の意図するところなのかもしれません。

自民党もこれだけ大敗すればかえって踏ん切りがつけられるはずです。
民主党の「颯爽(さっそう)」に負けたのだから、自民党も若手中心の「颯爽」に変えればいいのです。
今や上場会社でも40代、50代のトップは珍しくありません。
密室政治のイメージを払しょくするだけでも、大きなプラスになるはずです。

政治の世界でもバブルがあることを知りました。
また嵐の中でも生き残れる人と、消え去る人とがいることも知りました。
前回小泉チルドレンの一人としで国会議員になり、謙虚にまじめにやってきた人でも、今回落選しています。
自分の努力だけではどうしようもないこともあるのだということも知りました。
企業活動でもブームの後の倒産が一番多いのです。
ブームは怖い。
去った時の反動を忘れてブームに乗ってしまうから。
バブルは怖い。
いずれ崩壊するから。