2007-03-01から1日間の記事一覧

100人の専属ママさんコーラス隊すらあって、「盗〜塁、盗〜塁、欽ちゃん走りで、とお〜るい♪」などと歌うのですが、歌っているママさんはほとんど野球のことが分からないから、ランナーもいないのに「盗〜塁♪…」と歌ったりして、これがまた受けるのだそうで…

茨城ゴールデンゴールズで“欽督”をしている話にも腹を抱えて笑ってしまいました。 ホームランが出たら、公民館的フラダンスチームが出るそうです。 でも全員が揃(そろ)う頃には曲が終わっていることも多く、これが大受け。

下積み生活の間も、朝早くから劇場へ行って、掃除をすませてから舞台に立ち、一人で全部の役を演じていたそうです。 ある時主役の人が急に出られなくなり、その時に主役のせりふを全部覚えていたのは欽ちゃんだけだったので、急きょ代役に。 下手だったけれ…

この話には、考えさせられることがいっぱい詰まっていると思います。 才能がものすごく重要な要素を持っている世界でも、才能より人柄ということ。 そして才能がない人間でも大花を咲かすことがあるということ。 (あのエジソンだって、頭が悪すぎるという理…

あとで演出家が「この世界で大事なのは、うまいとか下手じゃない。おまえのようなドンケツを、劇場のトップが『やめさせないでくれ!』って言ってきた。こういうのが芸の世界では大切なんだ」。 その言葉を聞いて、欽ちゃんはうれしくて大泣きしたそうです。

演出家の人から「才能がないからやめたほうがいい」と言われ、自分でも納得していたので、座長にやめる挨拶に行ったそうです。 すると座長が演出家に「あいつをクビにしないでくれ!才能はないけど『はいっ〜』ってあんなに気持ちのいい返事をする奴はいない…

家が貧乏だったので、何とかお金持ちになりたい。 そこで選んだのがコメディアンの道。 しかし元々が気弱であがり症。 しかも浅草の劇場に勤めたら、コメディアンの才能がないことが、周囲の目にも自分にもハッキリ分かったそうです。

『なんでそーなるの!』(萩本欽一・日本文芸社・1,429円)

欽ちゃんの自伝。 内容の濃さとギャグ的なおかしさの、両方の意味で面白い本でした。 で、評価はAAA。