「会社は大きくしなければならない」の間違った思い込みが、私の人生の前半戦を大いに苦しめた話は、このブログでも何度もしました。
まあしかし「独立したからには立派な大きな会社にして、できれば上場を狙いたい」なんていうのは、経営者としてごく当たり前の欲求でもあります。
前半戦の「もがき苦しみ」から脱却し、心身・経済ともに落ち着いた後半戦に入れたのはラッキー以外の何物でもありません。
先日、美容室経営で「多店舗化せずに一店舗で頑張れ」といった内容の本を読みました。
男性が「間違って」美容の世界に入り込むと、将来性が危ういのだそうです。
30代前半までは「カリスマ美容師」的な存在でいけても、段々年を取ってくると、若い女性はオジサンに髪を触られるのを嫌がるのです。
また自分も顧客も年をとっていくのを防ぐことができません。
従って多店舗化して、経営者としてのポジションを確保しておかなければいけないとの危機感が男性美容師には常にあります。
が、多店舗化にはかなりの経営能力が必要で、優秀な職人だからといって、優秀な経営者にはなれないのです。
これが理容であれば、いくつになってもハサミを持っておれ、店主や顧客の高齢化はそんなに問題ではなく、最初に「美容」を取るか「理容」を取るかは、実に重要な選択肢だったことがあとで分かったと著者は述べています(著者自身は間違って「美容」を取ってしまったのですが)。
しかしながら著者は「一店舗」の美容店をシッカリ経営し、儲けたお金でいくつかの収益物件も所有し(気楽に)本まで書いているというわけなのです。