ある大学病院に勤めていた医師がいます。
検査をしてもどこも悪くないのに具合が悪いという患者が少なくなく、そのために漢方を学ぶことにしました。
三重県に住んでいたのですが、漢方の名医が千葉県にいるので、わざわざ単身赴任してまで漢方を修得することにしました。
で、いろんな流れの中で、千葉県で開業することになりました。
最初はスタッフ6名ぐらいの普通の開業医としてスタートしたのですが、今は「頭痛専門の漢方医」として、奥さんと2人だけで医院をまかなっています。
完全予約制で客層も良くなり、内部(組織)的にもストレスがなくなりました。
医師自身も全力でなく80%の力で働いているのですが、休みもたっぷりある「繁盛店」となっています。
京都にある肉料理のお店は、1日百食の「単品メニュー」が売切れたら店を閉めてしまいます。
行列のできるお店でもあるのですが、このやり方だと食材を無駄にすることもなく、従業員への過剰な負担もありません。
あるフランス料理のシェフは、ランチとディナーを提供する普通のお店だったのですが、思い切って夜の宴会だけにしました。
その時のデザートで出していたガトーショコラが評判で、今度は宴会もやめてガトーショコラ専門店になりました。
それも贈答用の3,000円の商品のみの販売で、レストラン経営時には考えられないぐらいの業績を上げています。
これらのケースに共通するのは「引き算の経営」、言い換えるならばビジネスのシンプル化および専門家ということになるのではないでしょうか。