亀の甲より年の劫

本を読んでいると「60歳代に一番いい仕事ができた」と書いていた人が5,6人いました。

 

その中には会社の創業者もいたし、上場企業の役員をやっていた人(すなわちサラリーマン)もいました。

 

30代の頃に「60代が一番」なんてことを読むと「ホントかなぁ?」と、ちょっとピンとこなかったのですが、今ならよく分かります。

 

私自身も仕事そのものはともかく、生活全般という意味では60代は極めて充実していました。

 

また60代を前半と後半に分けるならば、後半のほうが圧倒的に良くなりました。

 

しかしながらこれは、前半の仕組みづくりや工夫や努力が、後半になって生きてきたとも言え、60代前半の自分に拍手喝采したい気持ちです。

 

18歳が法的な成人になったようですが、人間的な成人は60歳ではないかと、自分の経験を鑑(かんが)みて思うのです。

 

そういう意味では30代でもまだ「鼻たれ小僧」で、40代ぐらいからようやく人間的に熟成してくるのではないかと思います。

 

例えば60にしてやっと自分の感情がコントロールできるようになりました。

 

「怒らない」という単純なこと一つとっても、その達成には長い長い年月が必要なのですね。

 

最近はビジネスで会う人たちはすべて年下になり、もうそれだけで気持ちに余裕ができるのです。