古事記や日本書紀の神々を現代人の眼から見たとき「そんなムチャして大丈夫?」といったことがたくさん書かれています。
例えばスサノオの命(みこと)が小さかったころ、父親のイザナギ命から命ぜられたことを何もせず、泣いてばかりいました。
神々が集う高天原では悪さばかりして、最初は擁護していた天照大神も、スサノオ命のイタズラで女神の一人が亡くなるに至り、堪忍袋の緒が切れて、岩穴に隠れてしまいました。
天照大神は太陽の神なので、天照大神が姿を隠すと、世の中が真っ暗になって、次第に荒(すさ)んできました。
そこでオモイノカネ命が知恵を絞り、天照大神を岩穴から呼び戻すための作戦を練りました。
岩穴の外でドンチャン騒ぎをし、興に乗ってアメノウズメ命という女神がストリップさながらの踊りを披露すると、神々がどっと大笑いました。
岩穴の中にいた天照大神が「何事か?」とそっと岩戸を開けてみると、そこには“まばゆい”ばかりの女神の姿が見えました。
実は神々の一人が鏡を出して、天照大神自身の姿をお見せしたのです。
天照大神が一瞬ひるんだ瞬間を見逃さず、力自慢のアメノタジカラオ命がその岩戸を力任せに開きました。
勢い余ってその岩戸が落ちた場所が(長野県の)戸隠神社です。
高天原を追放されたスサノオ命は、出雲でヤマタノオロチを退治し、悪ガキから一躍英雄になりました。
そのときヤマタノオロチの尾から出てきたのが天叢雲剣(アメノムラクモのツルギ)で、それが天皇家に代々伝わる三種の神器の一つというわけです。