日本史を見ていくうえで一番のポイントは、各時代にどういった階層の人たちが世の中を動かしていたかを知ることです。
国がまとまり落ち着いてくると、貴族の世になります。
和歌といった文化が広がり、また深まりました。
万葉集などには名歌がたくさん集められていますが、千年以上たった今でも、その瑞々しさに感動することがあります。
身分制度はあっても「歌(和歌)の前では平等」という原則が貫かれており、天皇から遊女まで、優れた歌であれば何の偏見も持たずに取り入れられています。
中には「詠み人知らず」などと言うのもあったりして、おおらかなのです。
「イイクニつくろう1192年」の鎌倉幕府からは完全に武士の時代になりました。
鎌倉、室町、徳川と幕府は違っても、武士階級が統治しており、貴族は「およびでない」状態でした。
700年ほど続いたサムライの時代でしたが、その間に武士道といった(高度な)精神的文化が生み出されました。
武士道はあっても、貴族道なんて聞いたことがありません。
明治維新は武士階級によって起こされたはずなのに、武士階級を没落させる方向で進みました。
これがなぜか全然わからなかったのですが、キーワードは「下級武士」で、下級武士はむしろ虐げられていたのです。
西郷隆盛も大久保利通も坂本龍馬も伊藤博文もすべて下級武士の出身です。