軍事や「武」の神様

宗教だからといって、平和で穏やかな側面しかないわけではないのです。

 

邪悪に打ち勝つ強い力だって必要で、それが証拠に各宗教には軍神と呼ばれる神々が存在します。

 

キリスト教だって7大天使のミカエルやウリエルの主なる仕事は軍事です。

 

毘沙門天(びしゃもんてん)は上杉謙信が信仰した軍神でもあります。

 

仏教には四方を守る軍神がいるのですが、毘沙門天多聞天とも呼ばれ、北方を守る役割を担っています(東西南北それぞれの神様の中では一番強いと言われています)。

 

日本の神々にも少なからざる軍神がおられます。

 

まずは建御雷タケミカヅチ)の神。

 

この方は鹿島神宮のご祭神でもあります。

 

剣豪で史上一番強かったのは塚原卜伝ではないかと言われていますが、塚原卜伝は鹿島の神からインスピレーションを得ています。

 

火之迦具土(ヒノカグツチ)というのは火の神様ですが、イザナミがヒノカグツチを産み落としたとき、ホト(子宮)を火傷(やけど)し、それがもとで亡くなってしまいました。

 

怒ったイザナギは、自分の子供であるヒノカグツチの首を刎(は)ね、その刃から滴り落ちる血から生まれたのがタケミカヅチなのです。

 

ちなみに香取神宮のご祭神のフツヌシの神は建御雷タケミカヅチ)神の盟友でもあります。

 

出雲の国譲りを迫ったときに、天上界からタケミカヅチが派遣され、オオクニヌシの息子であるタケミナカタと戦いました。

 

タケミナカタは負けて諏訪湖まで逃げ、今はそこに諏訪大社が祭られています。

 

武田信玄諏訪大社を信仰していました。

 

ヤマタノオロチを退治したスサノオも、クマソを征伐したヤマトタケルも当然「武」の神様です。

 

全国にある八幡神社は第15代応神天皇を祭っているのですが、やはり「武」の神様と言っていいのではないかと思います。