反省から繁栄へ

28歳の時から商売を始め、もうすぐ40年目に入ります。

「あのとき、こうすればよかった」とか「あれが失敗の原因だった」とかいう反省は山ほどあるのですが、もう今となってはどうしようもありません。

一番悪かったのは、ちょっと成功しただけなのに天狗になり、謙虚さを失ったことです。

バブルとバブル崩壊の両方を経験したのも、今となっては「貴重な体験」でよかったかもしれません。

基本的には街の不動産屋だったのですが、そんな業態でも結構いろんな種類の事業があるのです。

売買仲介、買取り転売、土地分譲、住宅建売、賃貸仲介、賃貸管理、駐車場管理等々です。

売買仲介ひとつとっても、一般住宅と収益物件とでは、販路も顧客も全然違うのです。

当社は売買仲介から始めたのですが、一つ一つ自分が興味あるビジネスを増やしていきました。

すると興味を持って一生懸命やる新しいビジネスの方は伸びていくのですが、手を抜いたの既存のビジネスは売上が減少していくのです。

人の問題にもずっと頭を悩まされてきました。

「会社は大きくしなければならない」という思い込みも、今となっては間違いだったと分かるのですが、若い頃は会社が大きくなっていかないと“やっぱり”働いていて面白くないのです。

こうして40年間、大きくもならず、倒産もせずにやって来たというわけです。

ここ5年ほどの間に「身の程を知った」小さな会社にし、人手のかからないストックビジネスに移行し、無借金であることも相まって、今ようやく一息ついているところです。

注力すべきは売上でもなく利益でもなく、税引き後のキャッシュフローだということにも、最近やっと気がつきました。

少しは知恵がついたところで、あと30年間頑張っていく所存であります。