経済的に不自然な現象

原油は今、サウジとロシアとアメリカが3大産地で、単に経済の問題だけでなく、政治も複雑に絡まっているので“ややこしい”のです。

アメリカのシェール・オイルの原価は1バーレル40ドル~50ドルぐらいと言われているので、それ以下の価格だと赤字になってしまいます。

サウジとロシアの減産の話し合いが決裂し、頭にきたサウジの皇太子が増産という手を打ってきました。

これによって一挙に原油価格が下落。

中国を初め世界経済の動きが低調で、もともと需給が緩んでいるところへ、このコロナ騒動です。

需要がガクンと落ち込んだところに増産したものだから、原油価格にとんでもない現象が起こりました。

一時期、マイナス40ドルになったのです。

これが何を意味するかと言うと、原油が粗大ごみ同然となったということです。

原油が捌(は)けないので、貯蔵庫もタンカーもパイプラインもいっぱいになり、仮に購入しても置いておくところがないという状態のようです。

半分冗談ですが「スタンドでガソリンを入れるとお金がもらえる」状態になったわけです。

原油の値下げは日本にとってはプラスのはずなのですが、なぜかいつも原油価格が下がると株価も下がります。

マイナス金利というのも実に不自然です。

預金すると金利分が取られ、借入れすると金利がもらえるということになります。

ほかに経済的に不自然なものはないかと探してみたら、何と一部の不動産がそうでした。

売価ゼロどころか、お金を出さないと「売れない」不動産が現実に出てきているのです。

例えば地方にあって、もう誰も住まない親の実家などというのは、お金を出さないと処分できないのではないかと思います。

地方の自治体など「ふるさと納税」ならぬ「ふるさと不動産処分」のサービスを始めたらいいのではないかと思うのです。

つまりお金をもらって不動産を引き取るわけです。