山高ければ、谷深し

アメリカで超高額の宝くじに当たった人たちのその後を追求していくと、幸福になるどころか、自己破産を含め、かなり悲惨な人生になっていたというのを読んだことがあります。

商売でもごくたまに「濡れ手に粟」といった感じで儲けることがありますが、そのあとはザルから水がこぼれるが如(ごと)く、必ずおカネが出ていくのです。

商売上の個々の事例でもそうですが、バブルのような社会全体が大儲けするような現象でもそうなのです。

私は不動産業ですが、バブルが起こり、それが崩壊するまでの経済の動きを実際のプレーヤーとして経験してきました。

1989年をピークとするバブルなどは、まさに第一線で頑張っていたので、バブル時の気持ちの高まりや、バブル崩壊後の不安や恐怖は実体験として記憶に残っています。

バブル崩壊中はモガクしかなかったのですが、だいぶ経って気持ちが落ち着いてきた頃に「あれだけ儲けたお金は一体どこへ行ってしまったのだろう?」と不思議だったことを覚えています。

「生活の安定と向上」が仕事をしていく上での基本中の基本で、それが叶(かな)ってこそ「仕事を通しての自己実現」や「顧客との喜びの共有」などが仕事の目的に加わってくるのだと思います。

「年々豊かになっていく」生活は、多分この世で最も幸福な生き方であるに違いありません。

私のビジネスの基本方針は「インカムゲイン」と「小さな本体」と「無借金」なのですが、すべては事業の安定と向上を目指したものです。

見栄は商売の敵ですが、虚栄を求めると”ついつい”商売が派手になります。

地味に「コツコツと一つ一つ収益物件を増やしていく」やり方で、もう迷いは一切ありません。