マスターズライフのモデルに

大阪の道頓堀の有名レストランであった「食い倒れ」には3つの方針があったそうです。

一つは「家族経営」、もう一つは「支店を出さない」、そして「食い倒れの人形(ブランド)を大切にする」。

大阪名物の食い倒れ人形はともかくとして、もし家族経営でなく、また支店を多数展開する経営を行っていたら、ひょっとしたら経営危機に陥っていた可能性も無きにしもあらず、という気がするのです。

少なくとも、財産を残しての悠々とした店じまいはできなかったのではないでしょうか。

「会社は大きくしなければならない」という思い込みが(かつての)私にもあり、しなくてもいい苦労を散々してきました。

これが最初から今のように「収益物件をコツコツと増やしていく」という考え方で、小さな会社を貫いていたら、今頃は資産が倍になっていたという気がしています。

30年間大きく遠回りしてきたとも言えるのですが、だからこそ人間的にも成長できたのかもしれないと、自分を慰めています。

事業や仕事的には不完全燃焼感があるので、それを今からの30年間で取り戻したいという気持ちが強くあります。

「95歳までバリバリの現役で働く」というのも、実のところ、その理由が一番大きいのではないかと思います。

「会社を大きくする」という重荷を下ろすと、気持ちも時間もカラダも楽になり、本当にやりたいことだけを追求していけるようになりました。

体調は過去最高です(注:体力ではありません)。

頭も年々良くなっていく感じがします。

80歳代になってから韓国語と中国語をマスターし、現地でそれぞれの言葉で講演した人を知っています(その人の専門は児童福祉で、106歳で亡くなられました)。

そういう先達がおられるので、悠々と自信を持って年を取っていけるのはうれしいですね。

そして私自身が後世の人たちの参考となれるような、マスターズライフを作り上げていきたいという希望もあるのです。