楽になった分、集中する

ビジネスでも生き方でも「少しでも多く」というのが、今までのやり方でした。

常に今よりも高い目標を打ち出し、それを目指していくのが正しい方法だと思っていました。

が、時代が変わったのか、年齢を重ねたからなのかは、よく分かりませんが、物事には自ずと適正水準があると思うようになってきました。

例えば売上一つとっても、量的な限界というのもやっぱりあるのです。

数字が上がらないからと言って、努力が足らないとは限りません。

売上は市場環境が決めるといった面があり、極めて他律的です。

根性の問題ではないのです。

そんな場合は「売上を上げるにはどうすればいいのか?」に執着するのではなく、「売上が上がらない分、どうすればいいのか?」を考える方が現実的だし、効率的です。

売上が下がっても「営業利益」や「経常利益」や「税引き前利益」が多くなることだってあり、もっと言えば「手残りのキャッシュ」を増やすことだってできるかもしません。

「市場環境の変化に対応して、わが社を変える」というのが経営の要諦ですが、小手先の対処ではなく、内部自体を根本的に変化させるという意味があると思うのです。

デービッド・アトキンソン氏は大きな会社の方が経営力に優れ、経済的な貢献度が高いことを述べています。

私もその通りだと思うのですが、逆に小さな会社は経営力がいらなくていい分、会社のマネジメントに費やすエネルギーを、もっとほかのことに使えると思うのです。

余計なエネルギーを使わなくていい分、経営者が意味のない遊びなどにウツツを抜かすのは論外ですが、本気で面白い会社にしていくことができるはずです。

どんな会社にするのかは「経営・人生統合計画書」に向かってジックリと考える必要があるのですが…。