起業したからと言って、誰もが成功するわけではありません。
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会社の生存率は起業して10年目で10%ほどだと言われています。
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9割の会社が10年持たないのです。
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『日経ビジネス』で起業に失敗した(会社を倒産させた)いくつかの例を特集していました。
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ある不動産業の経営者は、年収5億円から自己破産への道を歩みました。
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「高級ワンルーム」といったコンセプトの物件を供給・販売して大成功し、28歳の時に最年少で史上最短の上場記録を樹立。
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社員数も借入額も勢いに乗って増え続けたのですが、リーマンショックで市況が変化すると、あっという間に苦境に陥りました。
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うまくいっているときに、夜のお店で1本100万円以上するロマネコンティのワインを一気飲みしだすと、どうも会社は「余命1年」あたりを彷徨(さまよ)いだすようです。
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結局倒産し、会社も職も家族も失いました。
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また、ある人気レストランの経営者は、多店舗化をし、店をスタッフに任せ、自分は食材事業に走り出したところで危機を迎えます。
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気がついた時には、人任せの店の経営が無茶苦茶になっていたのです。
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うまく経営を「着陸」させた例で言うと、大阪ミナミの有名な「くいだおれ」があります。
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くいだおれは3つの経営原則を持っていました。
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「家族経営」と「支店を出さない」と「くいだおれの人形(ブランド)を大事にする」の3つです。
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経営の天才は別として、その店の主人(社長)が店にいないことが多くなると、一挙に経営リスクが高まるようです。
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ある京都の老舗和食店は創業から22代440年ほど続いているのですが、店の主人が代々包丁を握り、支店は作りません(ついでに言うと、440年間ずっと同じ場所で商売しています)。
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お店を「大きくする」のと「長く続ける」のとは、同じエネルギーではないのです。
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私は無論「長く続ける」の方を選択したいと思っているので、借金もせず、人も増やさないでおこうと思っています。