手元キャッシュを増やす

どういう方向に自分の会社を持っていきたいのか
を考えておくのは極めて大事なことだと思います。

最初から上場を目指す起業家はともかくとして、
会社をむやみに大きくしようとするのは間違って
いるのではないかと、最近特に思うようになりま
した。

37年間も会社を経営していて、今頃そんなことを
言うのも遅いような気もしますが、いかんせん私
はもう30年間働き続けるつもりなので、後半戦へ
の教訓としては十分に役立ちそうです。

1人会社や少人数の会社の場合、ミッションは別
として、会社の目的はただ一つ「いかにキャッシ
ュを増やすか」に尽きるのではないでしょうか。

会社を始めた多くの人たちが「会社は大きくしな
ければならない」と思い込んでいるのも、考えれ
ば不思議なことです。

売上至上主義も危険がいっぱい。
多くの経営者がその間違った「哲学」により、会
社を倒産させてきました。

シェアは大事な概念ですが、中小企業にとっては
「ニッチな市場」でのシェアを考えるべきだと思う
のです。

ニッチな市場には大手も入ってこないし、競合相
手もたいしたことがないケースが多いからです。

ニッチな市場であるならば、頑張ったらナンバー
ワンになれそうな気がするではないですか。

「利益」も大事な目標ではありますが、貸借対照表
の左側に、「含み損」を持った不動産や株や債券や、
「評価損」の可能性のある在庫を保有しながら
「たっぷりとした利益」を計上して税金ばかり支払うの
も、おかしな話です。

余計な資産や負債をバランスシートから外して、B/Sを
すっきりシンプルにさせると、手元にキャッシュが残っ
てくることが多いのです。