不動産投資ブーム

個人による不動産投資ブームが続いていました。
その背景には金融が”ゆるゆる”にダブっているという現象がありました。
しかし不動産投資への融資が制限され、そろそろそのブームも終焉に向かっていきそうです。

今回のブームでは、私自身は不動産投資には走りませんでした。 
賃貸マンションやオフィスビルを購入したいという気持ちが全く沸かなかったからです。
そうすると逆に「岡目八目」で、ブームの状況を客観的に見ることができます。

賃貸住宅フェアに行っても、カリスマ大家と呼ばれる人たちの講演の場所には、人が鈴なりに連なっていました。
座席に立錐の余地もなく、立ち見の人も大勢いました。
もし自分が不動産の素人であれば、たぶん一番前の席で熱心にメモを取りながら聴いていたと思います。

個人の不動産投資家や不動産のプロが書いた本もたくさん読みますが、人によって書いている内容が真逆だったりすることもよくあります。
例えば物件一つとっても、都心のワンルームを買ったらいいのか、郊外のアパートを買ったらいいのかわからなくなります。
あるいは新築を勧める人もいれば、ボロ家の購入を勧める人もいるので、読み手からすれば、一体どうすればいいのか迷ってしまうのではないでしょうか。

私に言わせれば、やっぱり相性が一番大事ではないかと思います。
自分がピンとくる投資法もあれば、気乗りしない投資法もあるはずです。
少なくともピンとくる方で勝負していかないと、不動産は金額も大きいし、あとあと負担になるリスクが大きいのです。

個人投資家の本を読んでいると、家賃収入ばかりが書かれていて、借入額のことはほとんど書かれていません。
今は収支のバランスが取れているにしても、今後そのバランスを崩す要因となる、修繕費や空き室リスクについては、あまり考えていないような気もします。

私は不動産のことはよく分かるので、ついつい「上から目線」で個人投資家の本を読んでしまうのですが、これが株の本だとそういうわけにはいきません。
きっと株式投資の本も玉石混交なのだと思います。
しかしながら数多く読んで行けば、自ずとどの本(著者)がよくて、どの本がよくないのかということが分かってくるのではないかと思っています。