自分に合った投資を

投資家として生活が成り立ちだし、サラリーマンを辞めた人がいます。
いわば「セミリタイア」であります。
その人いわく「リタイアして分かったのは、リタイア生活というのは、お金がかからないということ」。

例えば、サラリーマン時代は休みが限られ、その中で消費する必要があり、高くてもそれを選ぶしかなかったと言います。
が、今は安い中から選べばいいので、必然的に出費が減るとのこと。
また、高い家賃を払って会社の近くに住む必要もなく、高くて混んでいる時に旅行に行く必要もなく、ついでにストレスがないから飲み代もかからないということになります。

収入を増やすのは大事なことですが、支出を増やさない(あるいは減らす)というのも「安心生活」のためには重要なことのようです。
例えば商社マンというのは年収の多い職業でもありますが、まわりの人たちの生活がハデなので、どうしてもそれに引きずられてしまいます。
また同じように交際しなければ、周囲から浮かび上がってしまうに違いありません。
結果、いつも「金がない」ということになります。

私の場合、サラリーマン生活はわずか3年ほどなのですが、それでも周囲と合わせるのに息苦しさを感じていました。
あのままサラリーマンを続けていたらどうだったかと思うときがあります。
仲の良かった後輩が役員になっているので、ひょっとしたら自分も役員になっていたかもしれないし、人づきあいの悪さで、とっくの昔に傍流へと追いやられていたかもしれません。

私の場合28歳で不動産業を始めたのですが、そこからの30年間は会社一途で来ました(ほかの選択肢はありませんでした)。
ほとんどの中小企業経営者と同じで「仕事一本」の生活で、いま思い返すと「苦しさ8割、楽しさ2割」ではなかったかと思います。
還暦前にして漸(ようや)く、雑多な足かせから解放されたように思います。

今は「自分の会社を持った個人投資家」であり、「猛烈に忙しいセミリタイア」状態でもあります。
今後は不動産投資と株式投資とを極めていきたいと思っています。
何回か失敗を重ねて分かったことは、「自分は短期投資は苦手だ」ということです。
息の長い長期の投資が性格に合っているのです。

不動産も株も買ってすぐに売るなんてことはせず、ひょっとしたら自分が生きている間は売らないかもしれないという投資法なのです。
株式投資を「永久保有株を探す旅」だと喝破した人がいるのですが、私も100%同感です。