人生の浮き沈み

自分の人生を振り返ってみると、けっこう浮き沈みがありました。
その上がり下がりのキーワードは「勤勉」だと感じます。
即ち、勤勉である時は(あるいは勤勉を続けて暫くしたのちに)運気がグンと上昇し、逆もまた真なりなのであります。

中学1年生、2年生の時は怠け癖がつき、どうしようもないグータラ生活でした。
中学3年生の春休みに、矢内正一先生と出会い、その日を境に見事に勤勉生徒になったのには、自分自身でも驚いています。
教育の底力を自ら体感したわけです。

高校受験で猛勉強し、高校時代はそのまま失速することなく良い成績を維持しました。
いわば3流中学から1流高校に入学したのですが、その高校の先生方の学問的・人間的レベルの高さに感動したのを覚えています。

高校の先生たちがあまりに素晴らしかったので、大学に入学すると尊敬できる先生がいないことにガッカリしました。
また勉強にせよ、柔道にせよ(体育会柔道部に属していました)、いまから思えばもっと頑張れたはずです。
今その時代に帰ることができたら、文武ともに数倍の成果を上げている自信があります(覆水盆に返らず)。

卒業したのち、だるいサラリーマン生活をしたあと、28歳で不動産会社を始めました。
「独立して頑張るぞ!」とか「不動産業をやりたい!」とかいった高揚した気持ちは全くなく、自分の意志とは別にそういった道が用意されていた感じがします。

「サラリーマンの時は不満だらけ、独立したら不安だらけ」という言葉はよく聞きますが、私も全く同じでした。
20代、30代の時は、労働時間数だけは長かったように思います。
幼い子供たちがいましたが一緒に遊ぶことも少なく、もう一度あの時代に戻ったら、もっと子供たちと遊んでいると思います。

なぜか不動産業界は水曜日が定休日で「土・日・際」が休みではなく、そうすると子供たちと遊ぶ時間がないのです。
例えあったとしても、ヘトヘトに疲れていて、遊ぶ気にならなかったかもしれません。
会社は倒産せずに存続しているからいいようなものですが、もし潰れていたら「家族を犠牲にしてまで働いてきたのに、いったい自分は何をしてきたのだろう?」と落ち込んでいたに違いありません。

今までの人生で一番のピンチは1990年代のバブル崩壊です。
人間にはいろんな苦しみがありますが、金の苦しみが一番キツイのではないかと思います。
いつもお腹の中に大きな石を抱えているような苦しみは、二度とゴメンなのです。
無借金にこだわるのも、この体験があるからです。