これからの働き方

昔から知っている不動産業の知人の中には、会社を上場させた人が5、6人もいます。
共通しているのが、全員「途轍もなく仕事ができる」ということです。
ただし上場したからといって一安心という訳にはいかず、その中には債務超過となってしまった会社もあるので、世の中難しいのです。

アメリカのビジネスエリートは猛烈に働くのですが、若くして「ハッピーリタイア」を目指す人も少なくありません。
「南の島でゴルフ三昧」というのが、その象徴的なイメージなのですが、実際にそれを実現してしまうと、ウツに陥(おちい)る人が結構いると、ソニーの元取締役だった人が本に書いていました。

アダムとイブが禁断の木の実を食べたが故の罰が「労働」だというのが西洋人の考え方です。
つまり労働はしない方がいいわけです(だから貴族は働きません)。
ところが日本では天照大神(アマテラスおおみかみ)ご自身が機(はた)を織っておられました。
だから日本では働くことは尊いことなのです。
喜びでもあります。

この労働観の差は大きく、私は当然「一生仕事を楽しむ派」に属します。
その場合、あまり会社を大きくしてしまうと、将来「老害」になってしまうリスクがあります。
また財務的に貧弱では、それこそ「仕事を楽しむ」なんて余裕を持つことができません。
従って「こぢんまり」としていて、しかしながら財務的には抜群の安定感を持つ会社が理想となります。

ビジネスモデルもシンプルでなければ、早々に私の能力を超えてしまいます。
「労働集約型」事業は、私の理想からは大きく離れ、むしろ真逆に位置します。
「不動産やお金が自ら働いてくれる」ビジネスモデルがいいわけです。

社員の入れ替わりが激しいのも具合がよくありません(会社的にも、お客様的にも)。
スタッフが入れ替わるごとに、また一から仕事を教えるということになり、やっぱりこれは非効率です。
人材募集やその後の教育に多額の費用をかけるぐらいであれば、豪華な社内旅行にでも行く方が余程いいような気もします。

日本も高度成長をしていた時は「モーレツ仕事型」が時代に合っていたように思いますが、これからはドイツ人のように、時間は短いけれど集中して働くのがいいのかもしれません。
余った時間に英語の勉強をしたり、ヨガを学んだりして、自己投資や趣味を深めることも大切だと思うのです。
だらだらと仕事をし、だらだらと飲み会に参加する毎日では、人間としての成長が望めません。