内宮案内ツアー

伊勢の「神宮会館」に泊まると、次の日の朝6時半から約2時間、内宮の案内ツアーがあります。
一度参加したいと思っていたので、わざわざそのために神宮会館に宿泊しました。

天照大神(アマテラスおおみかみ)は最初宮中で祭られていました。
第10代天皇崇神天皇の時に、別の場所で鎮座していただくために、その候補地を探すことになりました。
その役割を与えられた倭姫(やまとひめ)が方々(ほうぼう)の地を回り、最終的に伊勢の地を選ばれ、それが現在の伊勢神宮というわけです。
約2,000年前のお話です。

その後500年ほど経った時、雄略天皇の枕元に天照大神が現れ、食事の世話をするために丹波の国から豊受大神(トヨウケのおおかみ)を呼び寄せて欲しい」との要望があり、外宮が建てられました。
それ以降1,500年間、1日も欠かさず神さまへの食事が神職たちによって奉げられています。

食事は火をおこすところから始められ「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」という大事な神事として継承され続けています。
食事は外宮で作られるのですが、内宮におられる神々が食事の時は外宮に来て召し上がります。

神々が食事を楽しまれる間、神職たちは正座のまま40分ほどお待ちしているのだそうです。
ちなみに食事の時間は朝8時と夕方4時。
お食事の内容も決まっているのですが、アワビや鯛などとともにお酒も添えられ、結構グルメです。

伊勢神宮には神職や衛士(警備)の人たちのほか、建築に携わる人たちなど、たくさんの人が働いています。
大工は60人、外構工事の人たちが120人、山を守る人たちが20人ほどいるそうですが、すべて正社員とのことです。

伊勢神宮の正式名称は「神宮」。
日本全国にある神社の中でも別格中の別格です。
125のお社(やしろ)の集合体が神宮なのですが、それぞれの社にも位があり、正宮、別宮、摂社、末社、所管社の5ランクに分かれます。

125全部のお社に行くのはムリとしても、せめて別宮以上は全部参拝したいものだと思っていたのですが、今回の「伊雑宮」と「瀧原宮」の参拝で、別宮はすべて参拝できたことになります。