アイデアをどんどん出していく

昔、一倉定先生のセミナーに行った時に「社長は会社に週に1日以上行ってはならない」という言葉を聞き、驚いたことがあります。
話には続きがあり「赤字会社の社長は月に1回しか行ってはならない」のだそうです。
それを聞いた時はあまり本気にしなかったのですが、最近その意味がよく分かるような気がしてきました。

私は通勤時間が3分ほどなので“ちょくちょく”会社には顔を出しますが、もし通勤時間が30分以上かかるようなら、忙しすぎて会社に行っている暇がないかもしれません。
社長の仕事は社内の管理ではないからです。

社長の仕事は経済的な豊かさを会社や社員や社会にもたらすことだと思います。
「日本で一番大切にしたい会社」シリーズで出てくるような会社は、人にも環境にも優しい会社が多いのですが、間違えてならないのは、それらの会社は利益をシッカリと出しているということです。

あこぎな商売は論外ですが、「弱々しき善人」は“ついつい”利益に関して妥協しがちなのです。
京セラの稲盛和夫さんも仰(おっしゃ)っているように、利益は十分に出すべきなのです。
中小企業が利益を出すためには、「特定」のお客様に徹底的にサービスしていく姿勢か、ニッチの分野でのダントツの技術が必要なのだと思います。

ニッチな客層や商圏や分野で、どうやって顧客を見つけられるのかが、昔は大きな課題だったのですが、今はインターネットで簡単にユーザーと直接に接触できてしまいます。
インターネットとクレジット決済さえあれば、どんな商品でも、どこにいていてもビジネスは可能ではないかと思います。

商品を扱わなくても、今やブログやユーチューブでも「プロ」が現れ、それ自体で生活しているという、ひと昔前では考えられない時代になっているのです。
これだけ世の中が変化しているのだから「わが社」も変化させなければ「生き残り」が難しいことは小学生でもわかる話なのであります。

ルーティンワークに忙殺されていると、なんだかスゴク仕事をしているような気になるのですが、案外、経営者にとって一番大事な「考える」という仕事をしていないことが少なくないのです。
反射神経と条件反射で仕事をこなしているだけなのです。

そこで私は「考える時間」を取るために、お風呂を活用することにしました。
お風呂にはメモと鉛筆を必ず置いているので、アイデアが出ると“どんどん”メモっています。
時たま、いくつものアイデアが生まれる日があり、そういう時は充実感があります。
翌日以降、それらのアイデアを実現化すべく具体的に動いていくわけです。