やっぱり本は捨てられない…。

本を義務感で読むほどつらいものはありません。
やっぱり読書は楽しまなくっちゃ。
興味もないのに本を読むから苦しいのです。
自分が興味あることならドンドン読み進めてしまいます。
ということは、興味の範囲を広げるというのが多読への第一歩ということになりそうです。

ビジネス書を物凄く読む経営者の人たちがいますが、当然ながらビジネスや経営に興味があるから読んでいくのだと思います。
人に負けない専門分野を持つことは極めて大事だと思います。
専門分野での深い井戸を持っていると、仕事が楽しくなります。
が、できればもう一本別の井戸を掘りたいものです。

それは仕事に関することでもいいし、趣味でもいいと思うのです。
2本の深い井戸を持つ人は、明らかに普通の人とは違って見えるはずです。
本人も自信があるものだから、少々のことでは揺らぎません。
これが3本4本となると、もう超人です。

不動産業界には「宅建取引士(宅建主任)」という資格があります。
この本さえ繰り返し読んでおけば合格するという参考書があるのですが(分厚いです)、今まで何冊も買って受験希望者(主に社員)に差し上げてきました。
が、本をタダでもらった人で合格した人は今まで皆無だったのです。
やっぱり身銭を切って買わなければ本気にならないのですね。

私は学生時代に渡部昇一先生の「知的生活」の本を読み、その影響で「本は自分でお金を出して買う」以外の選択肢はありませんでした(図書館で本を借りたことは一度もないのです)。
また読んだ本を処分するといった選択肢もなく、買って読んだ本は全部自宅に置いています。
あまりの量の本のために別荘を建てたこともあるのですが、今は自宅の地下書庫にすべて収納しています。

計算上は本を置く場所に一生困らないはずだったのですが、読むスピードが速くなったこともあり、本が書庫に入りきれなくなる「Xデー」が近づいていることを感じています。
まだそれに対するいい知恵はないのですが、ほかのモノを処分してでも本へのスペースを確保していきたいと考えています。

読んだ本を手に取ると、その時自分が何をし、どう考えていたのかなどの記憶が甦(よみがえ)るという話を、ある愛読家の人から聞きました。
確かにその通りで、ページをパラパラと開いた時に、それをどの場所で読んでいたかの記憶まで思い出すことがあります。
だから本は捨てられない…ということなのかもしれません。