芦屋「たか木」

最近はご馳走を食べる時は、条件反射的にカメラを向けるようになりました。
一流の料理人への敬意の表現でもあります。
魯山人が作った陶器は素晴らしいと思いますが、超グルメであった魯山人が、そのお皿にどんな料理を載せていたかは非常に興味のあることでもあります。
料理の写真が残っているとしたら、それは後世への大いなる遺物になると思うのです。

一流のデザイナーやアーチストが、一流の料理を好んで食べることを最近発見しました。
モノは違っても「感性」という共通点がどこかで繋(つな)がっているのかもしれません。
感性を磨こうと思ったら、良い絵を見たり、美味しいものを食べたりする時間が必要なのかもしれません。

一流の料理をいただくときは、食べる側にも品性が要求されます。
それなりの服装をし、場の雰囲気を壊さないように静かに会話を楽しむのは基本ですが、海外の一流レストランへ行くと、このことがよく理解できます。
「仕事が出来て性格もいい」年下の人たちを食事にお誘いすることが多いのですが、これがとても自分に刺激を与えてくれます。
会社のスタッフたちと食事をするときは全く気を遣わなくていいので、これまたリラックスでき楽しい時間を持つことができます。

私が苦手なのはタバコを吸う人や、人の悪口を言う人や、遅刻をする人。
そういう人は2度とお誘いしないので、段々とお付き合いする人が限られてきます。
しかし「お気に入りの服だけを持つ生活」が極めて快適であるのと同じで「数少ないけれど、いい人たちだけとのお付き合い」もなかなか捨てたものではありません。