山のような仕事に取りかかるには?

「目の前に山のようにそびえたつ仕事を、どう片づけていくか?」はかなり重要な問題です。
まずは良い体調をキープするということ。
体調が悪いとチャレンジ精神が出ず、アプローチする気にすらなりません。
ある香港のビジネスマンが「とにかく体を鍛えておくことだ。そうすれば少々の荒波が来ても乗り越えていける」と言って、実際リーマンショックを見事に乗り越えたそうです。

二日酔いや睡眠不足では、自分の最高のパフォーマンスが発揮できません。
仕事をする人は皆プロなのだから、プロとしての矜持(きょうじ)を持ってやっていきたいものです。
大手タクシー会社の若手社長が、1か月だけ自社のタクシーの運転手として働いてみました。

その人自身も運転手としていかに売上げを上げるかに努力し、また色々と工夫したようです。
が、結局は、高い売上げをキープするコツはテクニックではなく、体調を維持することだと本の中で喝破していました。
人間が肉体を離れて生活できない以上、体調管理は基本中の基本と断言して間違いなさそうです。

もう一つどうしても言いたいのが「まずは始めてしまうこと」。
最初は気が乗らなくても、やり始めたら気持ちが乗ってくるのです。
心が体を動かすことはもちろんあるのですが、体が心を動かすことだって多いのです。
やり始めるためにも、仕事を小さく分けてしまうことが大切です。
小さな仕事なら取っ付きやすいからです。

四の五の考える暇があったら、まずはやり始めるべきなのです。
綿密な計画がなければ出来ないなどと思っていたら、全然進まないのです。
やり始めているうちに、どうすればいいのかが勝手に分かって来るし、より現実的な計画が練られるように思うのです。
「千里の道も一歩から」は間違いのない話だし、最初の1里と残りの999里は心理的な負担から言えば“ほぼ”同じだと感じるのです。

本を読んでいると、偏差値の高い大学に入った人でも、最初から勉強ができた人はそんなに多くないように見えます。
小学校や中学校、あるいは高校でも勉強が出来なくて落ちこぼれだった人が、何かの拍子で勉強し出し、レベルの高い大学に入ることができ、その勢いのまま社会でも活躍するケースが少なくないのです。

そういう意味では人間の能力は皆そんなに変わらないのかもしれません。
ハイパフォーマーと凡人との違いは、ラッキーな動機づけと出会ったかどうか、そしてそれを継続したかどうかの違いではないかと思うのです。
しかも人間はいつからでも頑張れるのです。
「今からでも遅くない」ということでもあります。
頑張ることをいっぱい持っていると、年を取っている暇がありません。