考え方を変えてみる

考え方をちょっと変えるだけで人生が激変します。
「会社は前年対比で必ず売上げが上回らなければならない」とか「社員数は多い方が立派な会社」とか「トップは率先垂範して頑張らなければならない」とか「贅沢は敵だ」とか「嫌な仕事も我慢してしなければいけない」などは、今まで当たり前のことだと思って頑張ってきました。

それらが間違っているとは決して言うつもりはないのですが、ここらでちょっと見方を変えてみたいのです。
「前年対比で必ず上回る数字を出さなければいけない」というのは上場会社の場合、ほとんど宿命のようなものかもしれません。
だから無理をするわけですが、上場会社に勤める優秀な人たちはそれをこなしてしまうことが多いのです。

が、世の中には変化があるし、経済にも波があります。
何百年も潰れずにやってきた老舗企業を研究すると、時代によって組織を大きくしたり小さくしたりしながら生き残っています。
前年対比ばかり追っていたら、ずっと以前に消えてしまっていたかもしれません。

社員数が多い方がいいとは限りません。
特に今の時代、IT化やアウトソーシングが進み、社内ですべてをこなさなければならないことがなくなりました。
いま過去最高の利益を出している上場企業は少なくないのですが、これなどもリーマンショックの時に社員数を絞り、徹底的に合理化した結果だと言えるかもしれません。

中小企業の場合、何でもかんでもトップが率先垂範して頑張らなければなりません。
私も長い間そうしてきました。
しかしながら、もっと人に任せてもいいのではないかと思うようになりました。
「人に任せて」の意味は社内だけでなく社外も含めてです。
事業のコアの部分に自分も自社も徹底的に特化し、後は任せてしまうわけです。
世の中には工場を持たないメーカーだってあるのですから。

分不相応な贅沢は当然慎まなければいけないのですが、還暦を過ぎた人間がいつまでも始末していては、世の中にお金が回らないのです。
お金が回ってこそ経済が活性化するわけで、自分だけのところでお金を滞留させるのは、一種の利己主義ではないでしょうか。
良いものにお金を使っていってこそ、世の中に良い商品や良いサービスが増え、社会が発展していくのだと思います。

「嫌な仕事も我慢してやる」のは、もうやめようと思うのです。
好きで得意な仕事だけを一生懸命やるほうが、ずっと面白いし成果も上がるに違いありません。
またそれのほうが、断然世の中の役に立つと思うのです。