経営のダウンサイジング

大抵の経営者はP/Lばかりが気になるようですが、経営的にはB/SのほうがP/Lよりも10倍ぐらい大事ではないかと思うのです。
経営者がB/Sに関心があると、倒産の確率がかなり減るのではないでしょうか。
「B/Sを重くしない(固定資産や固定負債を増やさない)」というのが、ある意味、経営のコツなのかもしれません。

「汗水たらして不労所得を作る」が私のモットーでもあるので、株も少しずつ購入しています。
その時に“やはり”B/Sを見る眼がとても役立つのです。
その会社の財務内容が良いかどうかを判断する一難簡単な方法は「流動資産」と「流動負債」を比べることです。

流動資産」が「流動負債」を圧倒的に上回っている会社は良い会社で、逆に「流動負債」が「流動資産」より大きい会社は具合の悪い会社と断言していいかもしれません。
借入れが避けられない業種もあることは承知していますが(例えば貸しビル業や装置産業)、借入れがないに越したことはありません。

私は有利子負債がゼロの会社を選びます。
かつてJALの株を持っていましたが、見事に紙くずになりました。
確か1株400円ほどで買って、7円ほどで売ったはずです。
大企業だからといって潰れないわけではないのです。
そして潰れるのは間違いなく借入れが多すぎるからです。
三洋電機だって林原だって、優秀な技術を持っていた会社でしたが、結局は借入れが過剰だったがゆえに倒産したのだと思います。

企業というのは(特に上場企業は)、売上げにしろ、利益にしろ、「前年対比」が上回ることが期待されています。
経営の勉強会に行っても、必ずそういった指導がされます。
しかし「本当にそうなのか?」と最近疑問に思えてきました。

自社の得意分野だけに事業の範囲を絞り、不得意なところや赤字体質の事業は、思い切ってカットしてしまうべきだと思うのです。
社員数も少ないに越したことはなく、足らない分はアウトソーシングしてしまえばいいと思うし、それでも追い付かない時は、身の程に合った大きさに仕事量を減らしてもいいのではないかと思うのです。

経営の勉強会などに行くと「社員数を100人にするのが目標」などと言っている人がいるのですが、目的と手段とを間違って捉(とら)えているような気がするし、人が多いと逆風が吹いた時に会社が持たないのです。